こんにちは、シキロウです。今回は、ef-a fairy of the twoの感想を書いていきます。
the first taleとthe latter taleのネタバレしているのでクリア済の方が読んで下さい。アニメ版の視聴を踏まえた上での感想となっています。
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【作品概要】
かつて震災と大火に見舞われ、一度は焼け落ちた街――音羽が舞台となっています。
音羽は復興が進みヨーロッパの童話から飛び出してきたような、美しい街並みとして甦っていた。

その音羽でのクリスマスの夜に教会で火村夕という青年と雨宮優子という少女が互いが離れていた時間に何があったのか。2人はそれを確認しあうという構成になっています。

雨宮優子が語る1-2章の話がfirst tale、火村夕が語る3-4章の話がlatter taleに収録されています。
過去の二人の間にあった話もlatter taleに収録されています。

この構成上、普通のゲームで言うところの共通ルートが存在しません。それぞれの章の主人公となっているキャラには声が付きません。例えば1章の主人公は1章では声がありませんが2章で登場した場合には声があります。

メーカー:minori
ライター:御影、鏡遊
原画:七尾奈留、2C=がろあ

【全体の印象】
対話の演出、光の変化、豊富なCGを用いた群像劇で他のメーカーでは真似できない高水準にいました。他のゲームと次元が違います。

TYPE-MOONや珈琲貴族だけじゃなくてOPムービーに新海誠、EDムービーにシャフトが関わっているのは驚きです。ライターも原画家も確かな実績があります。

CGが両編合わせると1000枚を超えていてビビります。1000枚超えている作品は他のゲームだとマルコと銀河竜位だと思います。覗き込むCGや引いた構図のCGも沢山あって見ていて全然飽きません。太ももアップも堪らん。

とは言え、所々顔が長かったり顔に比べて体がヤバかったりして絵が安定しているかと言えば別問題です。スケルトンチンチ〇も許さない。

ヒロイン視点の際、地の文にもボイスがありました。ボイスをスキップして進めるか悩みましたが、結局飛ばさずに進めました。

frist taleの話はおもんなかったですがlatter taleの話は面白かったです。
伏線を張ったりしてるのは分かるけど大したイベントもなくカップルができた感じがありますから…。

【以下ネタバレ】
the first tale
1章
広野紘と宮村みやこの章で、1年前のクリスマスから始まります。

みやこの声は赤沢かえでさんとなっていますが、実際の声は夏野こおりさんです。
みやこのファッションセンスが良かったです。黒の制服を着たときは白のニーソで白のコートを着たときは黒のニーソなのは良きですね。
(ニーソの話しかしていないじゃん、とか言ってはいけない)
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普通に私服のセンスも良いぞ。
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みやこは両親の仲が悪くて音の無い家庭生活だったようです。そういう家庭で生活してきた結果、やや気まぐれで人懐っこい性格になったと思われます。

紘は学生を続けつつ少女漫画をやっています。正直あんまり性格が良くないし私には合いませんでした。幼馴染の景もぶっちゃけ魅力的かと聞かれれば返答に困ります。

景の血縁でもないのにお兄ちゃん呼びには時代を感じました。私としてはお兄ちゃん呼びは家族が呼べる特権という認識なのでやや違和感がありました。

そんなこんなで紘と景とみやこの三角関係になりますが、何だかんだみやこと結ばれます。景のバスケを見に行けばみやこを別れ、景と結ばれそうなエンディングになります。(物語の仕様上BAD扱いです。)

2章
堤京介と新藤景の章で、1章から半年近く経過した夏から始まります。

京介は1章の主人公である紘の友人で、かつては映研に所属していました。一方の景は恋に破れ、バスケの試合での怪我で事実上引退している状態です。

ここまでボロボロの状態のヒロインのその後を描くのは大変そうだと感じます。他の作品でも一度恋に破れたヒロインが恋する描写は滅多に見かけません。ミズキと仲が良いままなので数少ない救いです。
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京介が映画製作に拘る理由、それは最後に母との会話で出演した映画と夢の話をしていたからでした。
そう考えると京介は①母親がいない②夢を追いかけているで紘と共通しています。

映研の部長とも付き合っていた京介は、景との関わりを通じて京介は今まで恋に真剣でなかったことを自覚します。夜の花火シーンに関しては光の演出の細かさが際立っていました。
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こうして無事付き合い始めることになりました。しかも紘とみやことも普通にダブルデートしているし正直こういう巻き返しになるとは思いませんでした。
アニメ版だと景が余り物にくっついた感があったけどゲームだとその辺り感じなかったな。

そしてOP
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綺麗過ぎてワロタ

ホントに15年前の作品なのか!?
こやまひろかずや珈琲貴族等、スタッフも豪華ですね。

3章で千尋の話に入ろうとして終わりました。

the latter tale
3章
麻生蓮治と新藤千尋の章で、2章と同時期から始まります。
first taleの音羽は北半球でlatter taleの音羽は南半球なのも3章に入ってから思い出しました(笑)。

蓮治は普通の学生ですが千尋は4年前の事故で左目と記憶能力を喪失してしまっている女の子です。
その事情もあって千尋は新藤家ではなく夕の家に住んでいます。

アニメ版を視聴済なので千尋が前向性健忘で13時間までしか記憶できないことを知ってました。当時見たときのインパクトが凄かったです。
蓮治は1年生で千尋は1つ年上ですが、病気の関係で学校には通っていません。
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日常生活はどうしているのかの描写があって病気とどう向き合っているのかが良く分かりました。
朝2時間もかけて昨日-1週間の出来事を読まなくちゃいけないのしんどい…。

蓮治には過去に従姉で初恋相手の水姫という女の子がいました。ミズキとは別にそんなキャラいたの完全に忘れてました。

蓮治は千尋の夢である小説の完成を手伝います。王道ですが主人公の女の子=千尋の比喩は千尋の内面を表していて先が気になってしまいました。
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千尋に別れを切り出されますが、蓮治は諦めずに千尋の書いた小説の終わり方を変更してその小説を渡します。記憶を忘却した千尋と再び1から関係を築くことで終了しました。
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3章が終わりOPへ
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綺麗過ぎてワロタ
first taleも美しかったのに更に上回る綺麗さで驚きです。水滴と光の書き込みと回転するカメラワークが凄かったです。

4章
久瀬修一と羽山ミズキの章で3章から半年後から始まります。

久瀬は元バイオリニストであり火村の友人です。蓮治の家の隣に住んでいます。ミズキは1章から1年経過したこともあってツインテールからサイドテールにジョブチェンジです。
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心筋症で先が長くない久瀬は今までの清算しようとします。久瀬は3章の時には恋人も強引に襲うことで無理矢理別れていたようです。バイオリンを焼いて捨てようとした所でミズキに強引に防がれました。

因みに4章で蓮治と千尋は正式に恋人になりました。大変な未来だろうけど一件落着です。

ミズキも強引に襲われましたがめげずにアタックしてて逞しさを感じます。過去には無理心中されかけたり孤児になったりして大変だったのも影響しているかもしれないです。

ミズキが教会に花束を置くところで終章になります。ミズキとのやり取りと考えを改めることになるのか結末が判明しないまま進んでモヤモヤしました。

それにしてもミズキの少女漫画好き設定が殆ど生きなかったな。

終章
火村夕と雨宮優子の過去の話になります。
音羽の災害が終息した後、火村夕が音羽学園2年生の状態から始まります。

夕の人間関係は1章の主人公である紘と割と似ています。
・えっちな同級生とお調子者の友人がいる。
・幼馴染の女の子から「お兄ちゃん」と呼ばれている。
・一人暮らしをしている。

凪のアニメ版の記憶と違って表情が割と豊かでした。こんな表情した覚えが全くありません。
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孤児院にいた1年生の優子とも再会します。優子は雨宮の家に引き取られていましたが、悲惨なことになっていました(´;ω;`)。
優子は義兄の明良によって2年間毎日犯されたり暴力を揮われていたのです。引っ搔き傷や痣が痛々しい。夏でも冬服でいたのは自分の肌を見せない為だったのです。

話逸れますが同ライターの別作品だと寒さで夏でも冬服を来ていたキャラがいたのを思い出しました。
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優子を義兄から救い出した夕は雨宮家の両親の許可を得て同居することになります。優子の住んでいた家がないのでこの選択は雨宮家にとっても仕方ないように思えます。カップルである男女の2人、何も起きない訳もなく優子は妊娠します。

優子はクリスマスの日に未来(後のミズキ)を助けるために身代わりとなって交通事故に遭い、教会で死亡しました。
こうして見ると夕もクリスマスの震災と交通事故でそれぞれ家族と恋人を失っていて相当悲惨な人生を歩んでいます。
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それでも夕は挫けずに勉強を続け、南半球に音羽の街を再現するプロジェクトに参加していました。

そうして過去の話は終わり終章の直前に戻ります。より逞しくなったミズキは久瀬と結ばれました。
南半球の音羽はプロジェクトに関わった家族と応募した人が住めるシステムになっていたようです。久瀬は応募枠かな?
南半球のクリスマスで久瀬は教会でバイオリンを演奏して南半球の音羽の話は終了です。

奇跡によって死んだはずの優子は音羽の教会に佇んでいました。ミズキが優子が北半球の音羽にいると夕にいると教えてもらったおかげで再会ができました。
会話もお別れを前提にした内容となっていて切なかったです。

そしてEDアニメーション。シャフトが制作していることもあって塗りがOPムービーと違ってアニメ寄りです。
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EDムービーも動きます。振り向いたときの景の顔で一目惚れしそうになった。返答に困るとか言ってゴメン、間違いなく美人です。
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各キャラの一枚絵が写し出されていたけど夕の一枚絵が印象的でした。
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【評価・まとめ】
the first tale
OPムービーが楽しかった。スタッフも豪華で期待値が高ったけど思いの外捗りませんでした。
1章の主人公は魅力的じゃなくて面倒だった。

the latter tale
OPムービーもEDムービーも楽しませてくれました。
話も一方の抱えている病気が重い分、どう結ばれるのかが気になって先を進めてしまいました。

オールクリア後のタイトル画面はカップルの対比にもなっています。
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優子がみやこと景を見守り、夕が千尋とミズキを見守る構図となっていて一目で全体の構成が分かって助かります。
死者である優子が見守ったカップルより生者である夕が見守ったカップルの方が困難が多そうだと感じます。

只、1章と2章の登場人物は全く出番がないし大人になった凪もほぼ見られずに終わってて寂しかったです。

それではまた。

オマケ
上の部分でもアニメ版について触れてましたが更に掘り下げておきます。
アニメ版の方はそれぞれの章を同時進行させている関係上少々時系列が掴みにくい構成になっています。
全ての面においてゲーム>アニメ版かと言えば一概には言えません。

1-2章の登場人物はlatter taleで全く出番がありませんが、アニメ版2期だとチラチラ出ます。
凪も過去の人物としての出ているに留まりますが、アニメ版2期だとオーストラリアの音羽を訪れて出番があります。

ゲーム前編(2006年1-2章)→アニメ1期(2007年10月1-3章)→ゲーム後編(2008年5月3-終章)→アニメ2期(2008年10月4-終章)
という流れとなっています。

アニメ版の制作って結構スケジュールキツそうです。こうして調べてみると3章に関してはアニメ版の方が先だったんですね。
アニメ版だけ視聴してましたが今まで知りませんでした。

ゲームをクリアした後で2期のED見るとすごく良い気分になります。優子を引きずりまくりました。
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クーポンが余ってたのでつい再視聴してしまいました(笑)。